金融マンが転職先の活躍で必要なこと

メガバンクで営業、ネット系事業会社で金融事業開発、外資系コンサルで金融機関コンサル、三社三様で金融に関わり続けている金融マン、Keijiです。

初めての転職で、先の仕事ことを考えると不安がある、怖い
自分は新しい職場で活躍できるのだろうか

といった不安や悩みを抱えている方いると思います。

僕も最初の転職の時は特に大きな不安を抱えていたので、気持ちは良く分かります。「これまでの環境から新しい環境へ飛び込む挑戦をするのだから、不安はあって当然だ」と今なら笑って言えますが、当時はそんな余裕はありません。

仕事で活躍するに当たって必要なことは、その業界・会社やその職種によって大きく異なります。正確で速い仕事が優秀と見なされる環境もあれば、大雑把でも新しいことを思いつくことが優秀だと見なされる環境もあります。一括りに優秀や活躍に必要な要素を断定することはできませんが、僕が経験した数々の職場で大多数の人が口を揃えて言う「結局これがないとダメ」という要素を紹介します
知識・経験・スキルといった技術的なことではなく、考え方や姿勢といった心持ちの部分が中心の話になります。

目次

必要な要素は「前職までのアンラーニング」と「新しい会社・仕事に対する素直さ」

先に結論ですが、大多数の人が口を揃えて言う「結局これがないとダメ」という要素は、「前職までのアンラーニング(Unlearning)」「新しい仕事に対する素直さ」です。

なんだ、そんなことか。当り前じゃないか。と思われる方もいるかもしれませんが、これはかなり重要&欠けている人が多いというのが現実です。当人はそんなつもりはないかもしれませんが、周りは教えてくれないので自分自身では欠けていても気づきにくいというものでもあります。

前職までのアンラーニング(Unlearning)とは?

かの有名なアインシュタインの名言の1つに「常識とは18歳までに身につけた先入観のコレクションである」という言葉があります。仕事においても当てはまるように感じていて、1社で長く働くと(新卒からなら一層)、その会社のやり方、通例、風習などのいわゆる常識が身についていきます。その常識は今の会社で働く分には有用でしょうが、他社に移った時には、残念ながらほとんどが役に立ちません。

特定の会社でしか使われない情報やスキルは固執せず捨てる、つまりアンラーニング(Unlearning)する必要があります。例えば、情報だと「AさんとBさんは仲が良いので、会議の進め方はこうした方が良い」や行動様式(仕事のスタイル)だと「資料は時間をかけてもチェックして、ミスのない資料を作る」とか「実行に移す前に入念に計画を立てる」などです。

情報であれば簡単で、使わなければ忘れていきますので大した問題はありませんが、仕事のスタイルの場合邪魔になる可能性もあります。上記の例だと別の会社では「資料は粗くても短時間で作る」、「計画を立てる前にまず実行してみる」といったことが求められる場合も十分あり得ます(特に大企業からベンチャーに行くような場合)。そのような時、これまで身につけた仕事のスタイルが弊害になります。

仕事のスタイルのギャップ例

今の会社新しい会社・別の会社
資料は時間をかけてもチェックして、ミスのない資料を作る
実行に移す前に入念に計画を立てる
資料は粗くても短時間で作る
計画を立てる前にまず実行してみる

つまり、郷に入っては郷に従えというように、求められていないスキルは能動的に捨てる=アンラーニングする覚悟が必要で、これは別組織に移る際には前提条件として備えておくべきマインドです。

この、アンラーニングの大切さはDeNA創設者の南場智子さんも著書「不格好経営」でこのように言われています。

コンサルタントと事業リーダーの違い

私は10年以上マッキンゼーに在籍して下働き~パートナー(共同経営者)までコンサルタントとしては幅広く経験し、事業リーダーに経営アドバイスをしていたが、いざ自分が事業リーダーになった途端、新しく身につけなければならないこと、そして「unlearning(学習消去)」しなければならないことがとても多く、本当に苦労した。もし将来起業することを知っていたら、コンサルティング会社ではなく、事業会社で修業したかった、というのが私の偽らざる本音である。

『不格好経営』 南場智子

コンサルタントと事業リーダーという役割が大きく違う仕事についての話の為、すべての転職には当てはまらないかもしれませんが、アンラーニングが必要ない転職は存在しないと思っています。つまりは、アンラーニングする部分が大きいか小さいかの違いで、必ず必要になる要素だと感じています。

新しい会社・仕事に対する素直さとは?

素直さが大事と聞いても、当たり前すぎてピンと来ない人もいるかもしれません。ここでは素直さに欠けた人とはどんな人なのか、素直さを身につける為には何が必要かを考えていきます。

山口周さんが書かれた「劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか」に、ダメなオッサン共通点が書かれていたので紹介します。

  1. 古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を否定する
  2. 過去の成功体験に固執し、既得権益を手放さない
  3. 階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る
  4. よそ者や異質なものに不寛容で、排他的

4つ読むだけで、こんなオッサンいたら嫌だなあと感じますよね。。
これらまとめると、「不公平」「閉鎖的」といったキーワードになり、素直さの欠片もないことが分かると思います。

『銀魂』 空知英秋

ダメなオッサンの定義を逆転させた、イケてるおじさんの定義とは

ダメなオッサン(マダオ)が定義できたところで次に、定義を逆転させてイケてるオジサン(イケオジ)を仮定義してみます。

  1. 新しい価値観を受け入れる柔軟性を持つ
  2. 過去の成功体験を隅に置いて、目の前の仕事に集中する
  3. 誰にでも礼儀正しく、フラットに対応する
  4. 内と外の意識を持たないオープンマインドを持つ

一緒に働くとしたら、断然こっちの人の方がいいですよね。
こちらも4つの項目をまとめると、「オープン」「フラット」といったキーワードになろうかと思います。

この4つのような特徴を持った「オープン」で「フラット」な人のことを「素直」な人と呼ぶのだと僕は解釈しています。僕自身様々な職場を経験する中で、新しく入ってくる同僚をたくさん見てきましたが、4項目の中でも①新しい価値観を受け入れる柔軟性を持つ、と③誰にでも礼儀正しくフラットに対応するはかなり重要で、これらがない人は仕事の能力以前に周りからの協力を得られなくなります。

ダメなオッサン(マダオ)とイケてるオジサン(イケオジ)の定義比較

ダメなオッサン
イケてるオジサン
  1. 古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を否定する
  2. 過去の成功体験に固執し、既得権益を手放さない
  3. 階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る
  4. よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
  1. 新しい価値観を受け入れる柔軟性を持つ
  2. 過去の成功体験を隅に置いて、目の前の仕事に集中する
  3. 誰にでも礼儀正しく、フラットに対応する
  4. 内と外の意識を持たないオープンマインドを持つ

素直さを持って働くとは

さて、その素直さが大事なことは分かったとしても、その素直さを身につけるためにはどうすればいいのでしょうか?知識・経験・スキルといったものではなく、意識や心がけで改善も可能だとは思いますが、偉大なる経営者、松下幸之助さんがヒントを著書で記してくれています。

素直な心になる為の十か条

  1. 強く願う
  2. 自己観照
  3. 日々の反省
  4. つねに唱えあう
  5. 自然と親しむ
  6. 先人に学ぶ
  7. 常識化する
  8. 忘れないための工夫
  9. 体験発表
  10. グループとして
『素直な心になるために』 松下幸之助

これらを僕なりに厳選して要約すると、「自分を客観視した反省を日々繰り返しながら、素直さを持ち続けたいと強く願う」です。

ただ、この「自分を客観視した反省を繰り返す」というのがなかなか難しい。まず「自分を客観視すること」が難しいですし、「反省を繰り返す」のも同じくらい難易度の高いことだと思います。

そんな中、「自分を客観視する」という点において、僕がやってみて一番おすすめできる方法が日記です。中でも、イリイスト日記法という書き方が自分を客観視するという点でオススメです。多くの日記では自分を一人称として書くと思いますが、イリイスト日記法では「彼」や「彼女」といったように三人称を使って書いてみることで感情コントロールや意思決定を上達させる手法です。一歩引いた目線で日記を書くことで、主観から客観へ視点を移すことが可能になります。

次に「反省を繰り返す」という点においては、日記を継続することが大事になります。そのためには日記の負担を軽くすることが必要で、書く際には①出来事②感情③反省それぞれを一行程度、合計三行で完結する簡単なものにするのがオススメです。腰を据えて書く必要はなく、仕事を終えた帰宅途中などにサラサラと書く程度に留めるのが色々な面でメリットが大きいです。

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転職先は自分に合っているか?

**既に転職先が決まっている人や、新しい職場で働き始めたばかりの人は読み飛ばしていただいて構わない内容です**

ここまで説明してきたように「素直さ」はとても重要な要素だと考えていますが、そもそも転職先が自分に合った会社かどうかを事前に確認しておくことはもっと重要です。「置かれた場所で咲きなさい」とはよく言われますが、僕は「咲く前に適切な置き場所を考える」ことの方がよっぽど大事で、ほとんどの人が場所を間違えると咲けないと考えています。

業務後は何より自分や家族の時間を過ごしたい人が、飲み会ありきの会社に入ってしまったり、自由闊達に意見が言える環境を望んだ人が圧倒的な縦社会の会社に入ってしまったりしたら、本来活躍できる能力のある人でも、その能力を発揮しきれない可能性が高まります。

そんなミスマッチを防ぐために、事前にできることは2つあります。

1つ目は、面接時の逆質問や、内定後の現場社員との面談(オファー面談)を活用することです。質問の例としては以下のようなものがあります。

社内で活躍している方の共通点を教えてもらえますか?
社内で評価されている方はどんな人物ですか?それはなぜですか?

といった具合です。この質問で自分とは全く違うような特徴が出てきた場合には注意が必要です。逆に、自分と共通の強みやコンピテンシーが出てきたら安心材料と捉えていいでしょう。

ミスマッチを防ぐ方法の2つ目は、口コミサイトや友人・知り合いのツテを辿って情報を仕入れることです。口コミサイトでおすすめはOpenWork転職会議です。

OpenWork

OpenWorkは現役社員・元社員の口コミが見れるサイトです。年収やコメントがリアルに書かれているため、非常に参考になります。特に「年収」、「社風」、「社長へのアドバイス」辺りはかなりリアルなコメントが載っているので、リアルな数字や社風がわかります。

注意点としては、点数は鵜呑みにすべきでないところです。理由は2つあり、1つ目は点数というのは評価者の主観でしかないため、もう1つはキャリアアップなどによる転職が慣習として残っているコンサルは点数が高く出やすい傾向にあるからです。

転職会議

OpenWorkにすべての企業が掲載されているわけではないため、ほかのサイトと併用して見るのがおすすめです。そこでおすすめなのが転職会議です。

20代、30代の投稿が比較的多く見られるほか、正社員のコメントだけでなく、契約社員や派遣社員の口コミもあるので、情報を幅広く参考にすることができます。


口コミサイトは、現場社員や過去働いていた社員の声になるので信憑性が高いというメリットがある一方、口コミを書くのは退職者や退職予定者が大半でネガティブな意見が多いということ、中小企業や歴の浅い会社は口コミの数が少なく少数意見が正しいように見えてしまうというデメリットがあります。

まとめ

  • 活躍する為に必要な要素は「前職までのアンラーニング」「新しい会社・仕事に対する素直さ」
  • 素直さを身につける為の先人の教えは「自分を客観視した反省を日々繰り返しながら、素直さを持ち続けたいと強く願う」こと。そのための1つの手段が、イリイスト日記
  • 転職先を決める際には、自分に合っている会社かどうかを確認することが大事。①面談時の逆質問やオファー面談を使うこと、②口コミサイトを使って調べることがオススメ
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