今の仕事にモチベーションが湧かない…そんな方へモチベーションの仕組みと上げ方を解説しま

メガバンクで営業、ネット系事業会社で金融事業開発、外資系コンサルで金融機関コンサル、三社三様で金融に関わり続けている金融マン、Keijiです。

やらなければいけないと頭ではわかっているものの、やる気が起きない
気が付くとスマホでSNSを見たり、ネットサーフィンをしている

そんな時は誰にでもあると思います。僕もご多分に漏れず、やる気が起きないでダラダラして、YouTubeやInstagramなどのSNSを見ていたらあっという間に時間が経ってしまった経験が何度もあります。

ここでは、モチベーションとは何なのか?人はどういった時にモチベーションが湧くのか、その原理原則について考えながら、日常生活や仕事にどう取り入れていけばいいのかという具体先についても解説していきます。少し専門用語が多めになりますが、できるだけ噛み砕いて説明していきます。

目次

そもそもモチベーションが湧くとき、頭の中で何が起きているのか?

人間がモチベーションを感じる時、分泌される神経伝達物質はノルアドレナリンドーパミンの2種類あり、ノルアドレナリンは短期的意欲に、ドーパミンは長期的意欲に作用します。

前者のノルアドレナリンの方はイメージしやく、例えば、締め切り間近で異常な程の集中力を発揮できたり、スポーツの試合本番でいつも以上のパワーが出たりしたことありますよね?あれがノルアドレナリンの力です。

『ドラゴンボール』 鳥山明

ノルアドレナリンの力により、一時的にパフォーマンスを向上させられることは良いのですが、それが続くと悪影響も起こり得ます。ノルアドレナリンが高まると同時に、それを抑えるコルチゾールというホルモンも分泌される為です。コルチゾール自体はとても大事なホルモンなのですが、長期的に過剰に分泌されると脳の海馬を萎縮させるなどの害があることがわかっています。

そこで、先ほどの後者のドーパミンの出番です。長期的にモチベーションを継続させるには、ノルアドレナリンよりもドーパミンが非常に重要です。ドーパミンは楽しいことをしたり、目標を達成したり、褒められたりしたときに分泌される脳内ホルモンで、何かの大会で勝ったり優勝した時の喜びに向けて頑張るようなシーンが分かりやすいと思います。

そんな長期的なモチベーション維持に欠かせないドーパミンですが、注意すべき「もっともっと」という特性があります。仕事の中で昇給して嬉しく感じるときもあると思います。ですが数ヵ月経つとその状態に慣れて喜びは薄れ、もっと給料が欲しいという欲求に駆られた経験はないでしょうか?

この「もっともっと」が暴走すると、依存症に繋がるという事態に陥ることもあり得ます。例えばお酒、ギャンブル、買い物、ゲーム、スマホが典型的です。それぞれアルコール依存症、ギャンブル依存症、買い物依存症、ゲーム依存症、スマホ依存症になります。ドーパミンの的な快楽は「底なし沼」で、一度ハマると抜け出すことは難しく、ズブズブと飲み込まれてしまいます。

精神科医の樺沢紫苑さんの著書『精神科医が見つけた 3つの幸福』では、単純にドーパミンを増やすようなことをすればいいというわけではなく前提条件があると語られています。その前提条件とは幸福になる精神物質(いわゆる3大幸せホルモン)をセロトニン ⇒ オキシトシン ⇒ ドーパミンの優先順位で満たすべきというものです。つまり、セロトニン、オキシトシンが満たされていない状態でドーパミン的幸福に走ると不幸になる危険性があるということです。

ここでいうセロトニンとは一言で言うと、健康の幸福。心と体の健康です。オキシトシンとはつながりと愛の幸福。友情、人間関係、コミュニティへの所属などの幸福です。先ほどの説明を嚙み砕くと、心と体の健康、人とのつながりを無くして継続的なモチベーションは成し得ない」ということです。
ちなみに、セロトニンを増加させる効果的な主要手段は「睡眠」、「運動」、「朝散歩」です。オキシトシンを増加させる効果的な主要手段は「つながる」ことで、パートナーや仲間やペットとの交流、他者への親切や感謝によりオキシトシンが増加します。

『精神科医が見つけた 3つの幸福』 樺沢紫苑

これらの幸せホルモンを組み合わせ、増加させながらドーパミンが分泌されるような仕組みを作ることで初めて長期的なモチベーション継続が成立します。著書ではより詳しく実践的な方法も紹介されていますので、興味がある方はぜひ手に取ってご覧ください。

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ドーパミンを増やして、長期的にモチベーションを継続させるには

長期的なモ、チベーション維持にはドーパミンが必要なこと。ドーパミンだけではなく、セロトニンとオキシトシンが土台として必要なことをここまで説明してきました。ここからはセロトニンとオキシトシンは十分に満たされていることを前提に、ドーパミンを分泌して長期的なモチベーションを維持・継続させるために必要なことを見ていきます。

ここでは「自己成長を味わう」「自分の好きなことをやる」という2つの観点から仕事に転用する具体的な方法を解説していきます。

ドーパミン分泌手法①自己成長を味わう(=コンフォートゾーンを少しだけ出る)

人は自己成長を味わう時にドーパミンが出ます。自己成長とは自分のコンフォートゾーン(快適領域)から出てチャレンジすることにより得られるもので、モチベーションを継続する為には自分の縄張りから少し出てみることが大事な要素になります。

「失敗するかもしれないから嫌だ」という方もいると思いますが、全く新しい難関に挑戦しようとする必要はありません。自分のコンフォートゾーンを少しだけ出るところから始めればよいのです。
むしろ高すぎる目標に対しては脳は拒絶反応を起こして思考停止します。ドーパミンは「ちょい難」程度が好物なので、コンフォートゾーンを出るのは少しだけというところが重要です。

『精神科医が見つけた 3つの幸福』 樺沢紫苑

この仕組みを仕事に転用すると、モチベーションが湧かない日々が続く場合は、何か新しい要素を取り入れることが有効です。毎日ルーティン業務ばかりという場合でも、別観点でのアプローチはできないか考えたり、より効率化できる方法はないか探したりなど新しい風を吹き込むことで、ドーパミンが出てモチベーションが上がります。それでも解決できない場合には係替えや別部署への希望を出したり、転職することもモチベーションを上げる選択肢としてはあり得ます。

ドーパミン分泌手法②自分の好きなことをやる

仕事が楽しいと思う人は、ドーパミンが出ます。ドーパミンが出るとモチベーションが高まり仕事の生産性が上がることにより記憶力学習能力がアップします。そうすると仕事が上手くいって、やればやるだけ結果が出ます。

良いこと尽くめの好循環で、みんなそのループに入れれば最高じゃんと思いますが、問題はどこからループに入るかです。結果が出ることによって仕事の楽しさが湧く人もいると思いますが、「結果が出るのは嬉しいし結果を出す為に頑張るけれど、仕事が楽しくはならない」という人が多いのではないでしょうか?僕もそのうちの1人です。

そんな人がモチベーションを継続する為には、必然的に「仕事を楽しむ」しか選択肢はないのです。そして、仕事を楽しめるようになる手段は1.今の仕事の中で楽しい要素を見つける、2.環境を変える(異動とか転職)のどちらかしかありません。

ここでは前者の「今の仕事の中で楽しい要素を見つける」について具体的な方法を紹介します。サイエンスライター鈴木祐さんが書かれた『科学的な適職』でも紹介されている、ジョブクラフティングという手法です。

今の仕事の中で楽しい要素を見つける-ジョブクラフティング-

紙とペンを用意してください。PCでExcelなどでもできなくはないですが、紙でやった方が素早くストレスなくできるので手書きでの作成をオススメします。

1.ビフォー・スケッチ
まずは現在の仕事の分析からです。下の図のように仕事の業務内容を書き出します。その業務毎に時間・エネルギーとブロックの大きさを比例させ、それぞれに割合を合計100%になるように記入していきます。

2.ビフォー・スケッチの省察
続いて、以下の質問について1、2文程度で紙の余白に回答してください。

  • いまの仕事を最初に始めたときと比べて、現在の時間とエネルギーの割り当てには変化したところがあるか?
  • 現在の時間とエネルギーの割り当てを見て、どのように感じただろうか? そして、そのように感じた理由はなんだろうか?
  • ビフォー・スケッチを見て、どこか驚いた点はあるか?

3.動機と嗜好のピックアップ
ここまで出来たら、一旦スケッチしたものからは目を離してください。
次にあなたが仕事に対して持っている「動機と嗜好」を洗い出します。動機と嗜好とは聞いてもピンと来ないかもしれませんが、要するに「あなたが仕事をする上での大事な価値観」「仕事をする上で活かしたい能力やスキル」のことです。下の表の(例)の中から選んでもいいですし、合うものがなければ独自のものでも問題ありません。3つ4つ程度抽出してください。

動機仕事を通じてどのような「価値観」を達成したいか?もしいまの自分が満ち足りてなんの不安もない人生を送っていたとして、それでも自分を仕事に駆り立てるような感情とはどのようなものか?

(例)
自由を求める、成長する、楽しさを求める、達成感を得る、権力を求める、安心を得る、周囲との調和、伝統を守る、影響力を高める、人間性を高める、人を助ける、人を導く、とにかく実行する、新たなものを創造する
嗜好実際に仕事を行うにあたって、どのような能力やスキルを発揮していきたいのか? どんな行動を通して自分の価値観を達成したいのか?

(例)
判断力、よく考える、創造性、知恵、専門性、学習力、忍耐力、集中力、誠実さ、活力、寛大さ、社交性、趣味のよさ、楽観性、ユーモア、ものごとを整理する

4.課題クラフティング
再度スケッチに戻って、今の仕事に対して新しい目線で捉えなおすことをやっていきます。「3.動機と嗜好のピックアップ」で洗い出した項目を、スケッチした業務に割り当てていきましょう。

この時、業務1つ1つに対して「どの自分の動機・嗜好が繋がりそうかな?」ということを考えてマッピングしてみてください。1つの業務に対して複数の「動機・嗜好」がマッピングされてもいいですし、1つの「動機・嗜好」が複数の業務にマッピングされても問題ありません。

5.関係性クラフティング
関係性クラフティングは、列挙した業務に関わる人との関係性をより良くするステップです。まずは各業務に関係する重要な人を思い浮かべてください。その上で、重要な人との関係性をより良くする方法を書き込みます。この時、マッピングしてある「動機と嗜好」を活かした方法を考えるようにしてください。

6.認知クラフティング
認知クラフティングはタスクに対するあなたのマインドセットを変えるものです。列挙した業務を眺め、必要に応じて複数の業務を一括りにしながら、「自分や組織にとってどのような役割があるのか?」を考えます。その時、以下の質問に自問自答して、しっくりくる役割を設定してください。

  • これらのタスクは、組織や自分にとっての大きな目標につながっているか?
  • より上位のゴールや価値観を満たすために役立つことができるか?

特になんの分類も思いつかないようであれば、すべての業務をひとまとめに括り、「組織の幸福を底上げする」や「自分のスキルを存分に活かす」などと大きな役割を設定するのもありです。あくまでも、あなたの感覚にしっくりくる役割を選んでみてください。

7.アクションプラン
最後に「これからどんな行動を取るか?」を考えていきます。作成したジョブクラフティングの図を見つつ、役割を果たすためにできそうなことを書き出します。次の問いに答える形でアクションを決めていきましょう。

質問①-1:次の1週間の間にできそうなことは何でしょうか?
質問①-2:次の1ヵ月の間にできそうなことは何でしょうか?

質問②:完成したジョブクラフティングの図の実現のために、助けれくれそうな人を3人挙げましょう。彼らにいつどのように手助けを依頼しますか?

質問③:完成したジョブクラフティングの図の実現するに当たり、どんな困難や障害があると考えられますか?その困難や障害を乗り込めるためにどんな戦略を使うことができるでしょうか?

ジョブクラフティングの基本的な手順は以上で、あとはアクションプランに従って、日々の仕事をリノベーションしていきましょう。

ジョブクラフティングの注意事項

ジョブクラフティングの研究で有名な心理学者ジェーン・ダットンはこう述べています。

現代の仕事は官僚的で、いろいろなタイプの人間をひとつの型にはめようとする。仕事が退屈でドライに感じられるのも当然だ。しかし、自分の仕事を価値観にもとづいてとらえ直せばどんな職業でも深い意味が生まれる

これを裏返すと「自分の価値観が定まっていない状態では仕事に意味を見出すのは難しい」ということです。

ジョブクラフティングの中の「3.動機と嗜好のピックアップ」で自分の価値観を整理するのも良いですが、本格的に向き合いたい方はこちらの記事をご覧ください。

好きではない仕事や業務に対しても、何かしら好きな要素を見つけてモチベーションを上げるというのは大事なことです。置かれた場所で咲きなさいという言葉があるように、まずは今の仕事を好きになれるように努力することも必要なことだとも思っています。

しかし一方で、全く好きになれない場合もあると思いますし、そんな状況でモチベーションを上げるというのは酷な話です。個人的には、置かれた場所で咲くことよりも、咲ける場所に自ら移動すること、つまりは本当に好きなことを見つけ出して仕事にすることが、モチベーションアップの近道だと思っています。

まとめ

  • モチベーションが上がるホルモンはノルアドレナリンとドーパミン。短期的なモチベーションはノルアドレナリン。長期的なモチベーションにはドーパミン。
  • ドーパミンには依存性を生み出す負の側面もあり、3大幸せホルモンであるセロトニン ⇒ オキシトシン ⇒ ドーパミンの順番で満たすことが必要
  • そのうえでドーパミンを増やす具体的な方法は「自己成長を味わうこと(コンフォートゾーンを少しだけ出る)」、「好きなことをやること」。今の仕事の中を自分に価値観に合わせて見方を変える方法の1つがジョブクラフティング
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