キャリア相談は誰にすべき?友人・上司・家族・コーチ?相談パターン別おすすめ相手を比較解説

メガバンクで営業、ネット系事業会社で金融事業開発、外資系コンサルで金融機関コンサル、三社三様で金融に関わり続けている金融マン、Keijiです。

キャリアについてって誰に相談すればいいんだろう…適切な相談相手が分からない…
会社の同僚や上司に相談すると、他の人にも筒抜けになってしまいそうで心配…
とりあえず転職エージェントに相談してみたけれど、転職を勧められるだけで、相談にならない…

キャリアに迷ったとき、誰かに相談したいと感じるのはごく自然なことです。とはいえ、いざ相談しようと思ったとき、「誰に話すべきか?」で悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。かく言う僕も、これまでのキャリアの大きな決断をする際には誰にも相談したことがありません(笑)。ですが、逆の立場としては、友人、同僚、部下、親戚、コーチの立場として相談に乗ってきた経験があります。

それぞれの立場によって得られる視点やアドバイスは異なりますし、自分の状況や相談内容によって、適した相手は変わってきます。

  • 相談内容のパターン別に、どの相談相手が向いているか
  • 相談先ごとの特徴や注意点

ここではこれらの点を整理して解説していきます。キャリアに迷いを感じたとき、あなたにとってベストな相談相手を選べるよう、ぜひ参考にしてみてください。

目次

キャリア相談先で迷う理由と相談相手による違い

キャリアの悩みは、非常に個人的かつ多面的なものです。「どこに向かいたいか」だけでなく、「今何に困っているか」、「どのくらい自分で考えがまとまっているか」など、状況によって相談したいポイントが微妙に変わります。だからこそ、「誰に相談するか」で結果も大きく変わるのです。

相談相手ごとに得られるもの

  • 友人は、気軽に共感してくれたり、親身に励ましてくれる
  • 上司は、会社視点で現実的なアドバイスをしてくれる
  • 家族は、長期的なあなたの人生を思って意見をくれる
  • コーチは、あなた自身の本音を引き出す伴走役としてサポートしてくれる

このように、相談相手によって見えている世界や立場が違うため、受け取れるアドバイスや支援も変わってきます。友人はあなた主体で考えてくれるでしょうが、上司にとっての主体は主に会社に移りがちです。家族はあなただけではなく(特に結婚して家庭があれば)家庭にも主体が置かれます。コーチはあなただけ主体とします。

その結果として、会社を辞め、転職しようかどうか考えている場合であれば、友人は共感して応援してくれるかもしれません。上司はきっと引き止めるでしょう。家族はあなた自身や家族単位で長期的に考え、意見をくれると思います。コーチはあなたのキャリアや人生に問いを投げかけ、選択肢を納得いくものにしてくれるはずです。

だからこそ「誰に相談するか」をよく考える必要があるのです。

コーチとはなんなの?コーチングとは何なの?という方はこちらの記事をご覧ください。

相談相手毎のメリット・デメリット

友人(もしくは社内の同僚)、上司、家族、コーチ毎のメリットデメリットはこちらです。

メリットデメリット
友人気軽に話しやすい
感情に寄り添ってくれる
同世代目線で共感を得られることが多い
専門性や客観性に欠けることがある
相手の経験や価値観に左右されやすい
深い問いかけは期待しづらい
上司業界・仕事に対するリアルな知見が得られる
社内でのキャリア形成に詳しい
ビジネス目線で現実的なアドバイスが期待できる
会社目線が入る可能性がある(転職など言いづらい場合も)
本音を話しづらい場合がある
上司のスタイルによって対応に差が出る
家族無条件で味方になってくれる安心感
長期的な視点での応援やサポートを期待できる
感情面での支えが大きい
保守的な意見になりやすい
キャリアの専門的な助言は得にくい
(親の場合)世代間ギャップによる価値観のズレが出る場合も
コーチ客観的・中立的な立場からサポートしてくれる
自分の内面を深掘りしてもらえる
自己理解や目標設定を体系的に支援してくれる
答えを押しつけず、本人の力を引き出してくれる
費用がかかる
コーチとの相性によって満足度が左右される
答えを教えてもらうスタイルではない

友人や同僚のメリットは、気軽に話せて共感してもらえる可能性が高い点です。特に自分のいる会社以外に勤めている友人は、あなたのキャリアとの利害関係がない為、会社や友人自身の事情といったノイズが入ることなく相談に乗ってくれるはずです。一方で、キャリアの専門家ではなく、友人本人の経験に基づいた意見で、偏ったものになる可能性があることは注意が必要です。

上司に相談するメリットは、よりキャリア経験を積んでいる分、業界・仕事などについて現実を知っている点です。今いる会社において自分の少し先を行く人なので、会社において見えている景色も違うので、参考になる点も多くあると思います。一方、相談内容に今の会社を辞めるニュアンスが入ると、上司のスタンスは会社寄りになり、中立的な意見はもらえないことが多いです。

家族に相談するメリットは、精神的な支えとなってくれるところです。家族は仕事とは切り離された精神の拠り所です。あなたのことを誰よりもわかってくれている存在のはずで、他の人とは違った目線をくれるでしょう。ただし、家族であるがゆえ、保守的な意見になりやすいことは念頭に置いてください。

コーチに相談するメリットは、客観的・中立的な立場でサポートしてくれる点や「自分自身がどうしたいのか」に焦点を当てて深掘りしてくれる点です。自分でも気づいていない「自分の本音」に気づけることもあるでしょう。デメリットとしては費用が掛かる点があります。また、答えを教えてもらうものではなく、何か情報が欲しい時は別の選択肢も視野に入れて考えてみることをオススメします。

相談パターン別、適切な相談相手は誰か?

相談相手毎の違いは理解できたところで、相談パターン別にふさわしい相手を考えていきます。メリットデメリットで解説したように、相談相手によっていい面、イマイチな面が両面あります。自分の本意ではない方向に進むのを避ける為には、相談内容によってうまく相手を変えるのがベストでしょう。

5つの相談パターン

ここでは相談内容を以下の5パターンに分類して考えていきます。

#相談パターン内容
1自分がどうしたいのかわからないモヤモヤしていて、何を目指すべきかも定まっていない状態
2情報を集めたい一定の方向性は決まっているが、選択肢を選んだり、決断をするための情報が足りていない状態
3自分の考えを整理したい情報は一定集まったが、言語化や優先順位付けがしたい状態
4現実目線のアドバイス・打ち手が欲しい理想論ではなく、冷静な目線も加味したい状態
5背中を押してほしい自分の中で結論は出ているが、あと一歩踏み出す勇気が欲しい状態

多くの場合、1から5の順番で悩みが推移していくと思っています。今悩みを抱えている方は、自分の悩みがどこに該当しているか軽く考えてみてください。

パターン別相談相手マトリクス

パターン別相談相手マトリクスがこちらです。一目でわかるように、以下の記号を使っています。

  • :特におすすめ
  • :おすすめ
  • :状況による、やや注意が必要
#相談パターン友人上司家族コーチ
1自分がどうしたいのかわからない
2方向性は決まったが、情報を集めたい
3自分の考えを整理したい
4現実的な目線のアドバイス・打ち手を知りたい
5自分の中では答えが出ていて、背中を押してほしい

#1自分がどうしたいのかわからない

自分がどうしたいのかわからないと言うと何も考えがない人のように聞こえるかもしれませんが、それは違います。その中には、以下のような状態を含んでいます。

  • 自分に向いている仕事や業務は何なのだろうか
  • これからもずっと今の会社に居続けるのが正解なのだろうか
  • なんとなくモヤモヤする

これらの状態から道筋を導く相談相手としてはコーチが最適です。コーチは「問いかけ」を通じて、自分の内側から答えを引き出すプロで、モヤモヤしている時こそ力を発揮します。

友人も優しく話を聞いてくれて、自分の頭の整理になるときもあるかもしれませんが、あなたの心の中の価値観や人生観を引き出した上での結論まで期待するのは難しいでしょう。上司や家族は「こうすべき、こうあるべき」という固定観念が先行することも多いです。

#2方向性は決まったが、情報を集めたい

ある程度の方向性が決まった後などで、情報を集める必要性が生じることもあります。例えば、

  • 自分の会社の別部署に関して、やっている業務等もっと具体的に知りたい
  • 今転職市場で必要とされている能力やスキルは何があるのか知りたい
  • 他の会社ってどうなのか、知っておきたい

この状態の時には上司友人が良いでしょう。上司は特に社内における情報を多く持っている可能性が高いです。(特に会社が別の)友人は、自分の知らない世の中の会社の情報を教えてくれるでしょう。そんな彼ら/彼女らの情報の引き出しをうまく使うことで、今自分が欲しい情報を集めることができます。

コーチが情報を持っていることもありますが、コーチの専門性がどこかによります。キャリアコーチングであれば、転職市場について詳しいケースもあると思いますが、コーチ専業で長くやっている人の場合は最新の情報を得ることは難しいでしょう。また、家族においても同様に、鮮度のある情報を持っていることは少ないです。

#3自分の考えを整理したい

情報を集められた後など、自分の頭の中に情報は十分にあるものの整理しきれていない状態になることもあります。情報を集めた結果、#1のように、「結局自分は何がしたいのか、また良く分からなくなってしまった」という状態に舞い戻ってしまうこともよくありえます。

そんな時は#1と同様、相談相手はコーチがオススメです。整理・言語化のサポートはコーチの得意分野で、「ここまでわかったことは何なのか?」、「あと何が分かれば決断ができるのか?」等、あなたの考えを整理していきながら次のステップに導いてくれます。

ここでも友人はその人次第ですが、上手に聞いてくれる人であれば十分に自分の頭の整理が期待できます。上司や家族は解決策を探し、聞き手よりアドバイス寄りになりがちです。

#4現実的な目線のアドバイス・打ち手を知りたい

一定の考えがまとまってきた時でも、第三者的な目線を入れておきたいと感じることもあると思います。

  • 自分で考えて決めたことが脳みそお花畑になっていないか、冷静な視点での意見が欲しい
  • 自分が考えている以外の選択肢があるかもしれないけれど、自分1人で考えるのは限界

そんな時は、上司への相談が、実務経験に基づいた現実的なアドバイスが得られるため最適です。上司は自分よりも一段高い視座で物事を見ていて、人生経験も豊富であることが多いので、あなたとはまた違った目線でアドバイスをくれるでしょう。

友人も自分とは違う経験をしている人が多いはずで、その点自分とは異なる目線で話をしてくれるはずです。ただし、自分と同じ会社等、似た環境の人だと似た考えになりがちなので注意が必要です。家族は立場によって大きく変わります。自分の妻や夫、パートナーであれば金銭面も含めた現実的な話をするでしょう。両親であれば、自身や自身の周りの人の経験を踏まえた話をしてくれると思います。

コーチは基本的にはアドバイスや打ち手を教えてくれる存在ではありません。自分の中にある答えを探したり考えを整理したりプロセスです。コーチの専門領域の話であれば、コーチングとは別にアドバイスを求めてもいいと思いますが、そうでなければ有意義な回答は得られない可能性が高いです。

#5自分の中では答えが出ていて、背中を押してほしい

もう結論は出ているけれど、最後踏ん切りがつかない、誰かに背中を押してほしい。そう感じることあると思います。また、直接そう考えていなくとも、誰かに応援してもらった時、決断・行動する勇気が湧いてくる、そんな経験は誰にでもあると思います。

そんな時は、家族友人がオススメです。家族や仕事などの利害関係のない友人は「あなたという存在」だから繋がっていて、あなたの会社や肩書で繋がっているわけではありません。なので、あなたが本当にやりたいと思うことは応援してくれるはずです。

コーチももちろん「あなたという存在」を信じてコーチングをします。自分では結論が出ていると思っていない状態でコーチングを受けるのは良いと思いますが、結論が出ていると分かっているのであれば、あえてコーチングを利用する必要もないでしょう。

上司は、仕事上の利害関係で繋がっている場合がほとんどなので、「自分や会社にとってプラスであれば背中を押すし、そうでなければ特に何もしない、もしくは止める」といったスタンスになることが多いと思います。

相談する時の注意点

ここまで紹介してきたように、適宜適切なタイミングで相談することで、ものごとを進めるのに大きな力になることは間違いありません。一方で、相談する時には気をつけなければいけないことがあります。

それは、相談する相手と内容です。

例えば、上司に相談する内容として、「転職」や「起業」はふさわしくありません。上司の立場として辞められては困るので引き止められるのが目に見えているからです。そして、会社によっては「あいつは転職を考えているやつ」と見られ、仮に現職に残る選択をしても昇進が遅れるといった影響が出る可能性があります。

同僚においても、「人の口に戸は立てられぬ」ということわざがあるように、話が広まってしまう可能性があるので、話す人の見極めが肝心です。

まとめ

  • 友人・上司・家族・コーチそれぞれメリット、デメリットがあり、場面によって誰に相談するかを分けて考えることが大事
  • 「自分がどうしたいのかわからない」時はコーチ、「情報を集めたい」時は友人か上司、「自分の考えを整理したい」時はコーチ、「現実目線のアドバイス・打ち手が欲しい」時は上司、「背中を押してほしい」時は友人か家族が最適
  • 「転職や起業」×「上司」は水と油の存在なので、相談する相手と内容については注意が必要。同僚に対する転職の話も人の見極めが大事

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