メガバンクで営業、ネット系事業会社で金融事業開発、外資系コンサルで金融機関コンサル、三社三様で金融に関わり続けている金融マン、Keijiです。
やりたいことなんてない
転職エージェントにキャリア相談してみたけど、転職を勧められるだけだった
と悩める方に対して、step1とstep2を通して、自分の強みと理想の働き方を考えてきました。まだの方はぜひ先にご覧ください。


ここまでのstep1とstep2を通して、こう思っている方も多いのではないでしょうか?
自分の強みと理想の働き方はわかった。じゃあ具体的にこれからどうすればいいの?
僕自身、キャリアに関する多くの情報を集め実行してきましたが、同じ感想を持つことが非常に多かったです。step3では、その悩みを解消する為に具体的なアクションプランまで落とし込んでいきます。
step1でやったことは自分の強みという、いわば現状分析です。そしてstep2でやったことは理想の将来像という、いわば目標(Goal)設定です。この2つはそれぞれ「点」に過ぎないので、点と点を繋いで「線」にしていくことが必要になります。それがこれから説明していく、指針を決めて行動計画を作ることになります。
指針とは何なのか、どうやって決めるのか?決定プロセスを解説
「指針」とだけ聞いても、何のことかよくわからないと思うので、もう少し具体的に説明します。
例えば理想の働き方が「人のサポートをする仕事で生計を立てられるようになる」、自分の才能が「文章を書くこと」という人を例にして考えてみます。
この人がひたすら文章を書いているだけで、理想の将来像が実現できるかと言われるとかなり疑わしいと誰もが思うでしょう。一括りに「文章を書く」といっても、それが小説なのか、エッセイなのか、日記なのかジャンルは様々で、書籍なのか、ブログなのか、noteなのか、X(旧Twitter)なのか、書く媒体も様々です。それらの組み合わせによって集客する方法も稼ぎ方も大きく変わるので、「金融機関での生々しい話を織り込みながら楽しめる小説をnoteに書く」という方向性に決めたとします。
この方向性が、ここでいう指針になります。指針がないと何をすればいいのかよくわからない状態に陥りますが、指針があることによって、具体的な一歩が踏み出しやすくなります。
指針を決めるときのポイント
指針を決める際のポイントは、step1で定めた才能と後天的な強み(知識・経験・スキル)です。
才能とは無意識的にやってしまうような、苦なくできてしまう動作や動詞のことで、才能に触れないでのキャリアはどこまで行っても我慢のキャリアになります。
そして知識・経験・スキルといった後天的な強みは今まで培ったリソースとなり、他者と差別化でき得る強力な付加要素となります。
理想のキャリアを最短で実現する為には、この才能と後天的な強みの両方を満たすような指針にすることが必須です。
タワーマンションに住んで、悠々自適な生活をすることが理想としている人を例にして、才能と後天的な強みのどちらか一方しか満たせていない場合を少し考えてみます。
まずは才能なく、後天的な強みのみを活かしたケースです。収入を増やすために活かせるものはこれまでの知識・経験・スキルだと考え、仕事は好きではないけれども今の金融機関で、今の営業職での昇進を目指します。
そうすると後天的な強みはもちろん活かせていますが、才能を満たせておらず、仕事が好きでもないため、やりたくもない仕事をする我慢のキャリアとなり、自己犠牲の代わりに理想を実現できたとしても虚しさが残るでしょう。
続いて才能は満たしているものの、後天的な強みが活かされていないケースです。
先ほどと同じ人の才能が「自分の好きなもの/ことを周りにPRする」だったとします。これまでの営業職から心機一転、広報に転職して自分の好きな商品/サービスをPRする仕事に就いて、仕事自体は楽しくなるでしょう。一方で、理想のキャリア実現は本当に可能でしょうか?
もちろん、好きな仕事であれば成果も出て昇進して給料も上がると思うので、実現できないとは言いません。ですが、これまでの金融の知識、営業の経験を活かしきれていないと、理想実現までに時間が掛かります。20代であれば収入も大きく変わらないかもしれませんが、30代以降の未経験業種&未経験職種は収入が下がる可能性が高いです。
才能と後天的な強みの両方を満たすのならば、例えば「金融サービスを営業目線でPRする為、マーケティング職に転換する(社内異動/転職)」といった指針が考えられます。
このように、才能と後天的な強みの両方を満たすことで、自分が苦なくできること(want to)でありつつ、これまでの知識・経験・スキルといったリソースを活かすことで他者と差別化できるようになります。
手順①-1 才能を活かした職種を探す
まずは自分の才能を活かした職種は何があるのかを特定します。先の例では「自分の好きなもの/ことを周りにPRする」から「広報」や「マーケティング」に繋げたように、自分の才能が活かせるような仕事が必ずあります。
日本屈指のマーケターである森岡剛さんが書かれた「苦しかったときの話をしようか」の中に、好きな動詞をThinking、Communication、Leadershipの3つに分けてそれぞれにおすすめの職種が書かれているので、参考までにご紹介します。
Thinking
典型的な動詞:〝考えることが好き〟、〝問題を解くのが好き〟、〝人と議論をすることが好き〟、〝勝つための作戦を考えることが好き〟、〝数字や計算することが好き〟、〝勉強することが好き〟、〝興味ある領域を研究することが好き〟、〝分析することが好き〟、〝知ることが好き〟、〝予想を当てることが好き〟、〝最小の努力で最大の成果を狙うことが好き〟、〝戦略ゲームで遊ぶことが好き〟、〝誰も考えつかない新しいこと思いつくことが好き〟等々
向いている職種:ファイナンス、コンサルタント、研究職、各種の士業、アナリスト、マーケティング、企画系
Communication
典型的な動詞:〝友達や知り合いが増えることが好き〟、〝人と会うことが好き〟、〝話すことが好き〟、〝話を聴くことが好き〟、〝SNSで多くの人と繋がることが好き〟、〝人が集まるところ(パーティーや飲み会)に参加するのが好き〟、〝人に人を紹介することが好き〟、〝噂話をしたり聴いたりするのが好き〟、〝ファッションアイテムを見ることやオシャレを楽しむことが好き〟等々
向いている職種:プロデューサー業、営業職全般、PR/広報の専門家、ディールメーカー(交渉人)、多くの関係者を巻き込む企画職(広告代理店など)、ジャーナリスト、政治家
Leadership
典型的な動詞:〝何かを達成することが好き〟、〝高い目的を定めて挑戦することが好き〟、〝仕切ることが好き〟、〝大きな変化を起こすことが好き〟、〝自分で決めることが好き〟、〝人々を引っ張っていくことが好き〟、〝集団において責任ある役割を担うことが好き〟、〝自分なりの正義感に突き動かされて衝動的に行動することが好き〟、〝後輩などの世話を焼くのが好き〟、〝人に夢を語ることが好き〟、〝人を勇気づけることが好き〟等々
向いている職種:管理職、経営幹部、経営者などのマネジメント職、プロジェクトマネージャー、プロデューサー、研究開発リーダー
『苦しかったときの話をしようか』森岡剛
同著では幅広く動詞を挙げてくれていますが、みなさんが見つけた才能があるとは限りません。自分の才能を見つめるのと同時に、世の中にはどのような職種があって、どのような仕事をするのか最低限調べて理解しておく必要があります。
本件に限らずですが、完璧や100%を求めすぎないことも大事です。才能に基づいた職種を調べることも重要ですが、自分の好きなことだけをできる仕事というのは残念ながら幻想です。そこは意識しながら、自分の才能を最大限生かせるような職種を探してください。

手順①-2 「市場性」×「希少性」で後天的な強み(知識・経験・スキル)を整理する
続いて知識・経験・スキルといった後天的な強みを活かせる領域を探します。step1で少し解説しましたが、才能を除いた人間の強みは相対的に決まります。
なので、step1で棚卸しした知識・経験・スキル、そのどれもが活かせる領域になり得て、他者と差別化できればどれを活用しても何も問題ないのですが、どれが役に立つか整理する為の参考情報をお伝えしておきます。
それは「市場性」と「希少性」の2つの軸で整理する方法です。
「市場性」とは、そのスキルや経験がどれだけ求められているかというもので、マーケットにおけるニーズのことです。例えば、金融 × IT(システム)の知識や経験を持っていたり、金融 × AIのスキルがあるなどは市場性が高いと言えます
「希少性」とは、そのスキルや経験を持っている人がどれだけ少ないかというもので、平たく言うと珍しいか否かのことです。例えば、MBAを持っていたり、FP1級、簿記1級を持っているなどは希少性が高いと言えます。
これら2つの軸をマトリクスで整理するとこのようになります。
市場性(低) | 市場性(高) | |
---|---|---|
希少性(高) | ニッチだが、特定の分野で活きる | 最強の武器 |
希少性(低) | 皆が持っていて代替性が高い | 単独での差別化は難しい |
市場性も希少性も高いものがあれば越したことはありませんが、多くの場合そのような知識・経験・スキルは持っていません。持っている知識・経験・スキルを組み合わせてかけ算のように考えることで見つかる可能性もありますので考えてみてください。
繰り返しになりますが、この知識・経験・スキルといった後天的な強みはあくまでも相対的に決まります。自分がどのフィールドで戦うかによって強みだと思っていたものが強みでなくなったり、逆に強みと思っていなかったものが強みになり得ます。なので、この整理はあくまでも気軽に、頭の整理程度に留めてしてみてください。
制約を考える
step2では制約なく理想の将来像を考えたと思いますが、現実的にはどうしても越えられない制約もあるかと思います。特に家庭事情が絡むと一筋縄では越えられない制約になり得るケースが多いですし、僕自身もそうでした。
「今の収入は落とすことができない」や「働く時間や働き方は〇〇の必要がある」など、どうしても覆すことができないものだけ、挙げておいてください。特に思い浮かばなければ無しで問題ありませんし、無いに越したことはありません。
手順② 目標とアクションプラン作成
指針を決められたら、残るは具体的な目標を決めて行動計画(アクションプラン)の作成です。
step2で定めた自分の理想の将来像を達成するために何をしていけばいいのか、ゴールから逆算して計画を細分化していきましょう。
まずはstep2で定めた理想の状態をいつまでに実現したいかを決めます。5年後か10年後か、多くの場合1年などの期間では実現できないと思いますが、逆に必要以上に長くする必要はありません。
Most people overestimate what they can do in a year.
(多くの人は1年でできることを高く見積もり過ぎる)And they underestimate what they can do in two or three decades.
Anthony J. Mahavoric
(そして、20、30年でできることを低く見積もる)
これはコーチや起業家として成功したアンソニー・ロビンズの講話の中の1フレーズで、僕の好きな言葉なので動画も貼り付けておきます。
理想の将来像の実現時期が決められたら、次は1年後の目標を立てましょう。
理想の将来像を5年で達成したいようであれば、1年後は5分の1ということになりますが、機械的な分割はあまりオススメできません。何事もやり始めに時間がかかるものです。5年後までに1,000万円稼ぐ必要があっても、1年目で必ず250万円稼ぐ必要はないのと同じです。
続いて、アクションプランの策定です。
アクションプランとは目標を達成する為に、必要な行動レベルまで落とし込んだ計画のことを指しています。
例えばこんな感じです。
1年後の目標:1年後までに自分の好きな仕事を見つけて転職する
アクションプラン:1ヵ月後までに自分の好きな仕事となる候補を出して、スクールなどでスキル習得に向けた体験してみる
このレベルまで落とし込めれば具体的に何をするかが明確になりますよね。
ここでのアクションプランは1か月以内、3ヵ月以内、半年以内の3つがおすすめです。アクションプランを1か月より細部に、週単位や日単位に細かく設定するとやるべき行動が明確になり動きやすくなりますが、デメリットも2点あります。
1つ目は軌道修正が発生した際には、大幅に作り直す必要がある点です。
理想の将来像や将来像を叶える為の目標は、あくまでも作成時点版であり、新しいことにチャレンジすると新たに気づくこともたくさんあります。その時理想の将来像や目標を変えることは全然問題なく、むしろ変えるべきです。
理想の将来像や目標を変えると、当然アクションプランもガラッと変わるので、アクションプランを細かく作り過ぎていると時間と労力がもったいないのです。
2つ目は計画通りにいかなかったときのモチベーションの問題です。
理想実現のためにやるアクションは、日常のルーティンの中に追加でやらなければいけないことばかりだと思います。ただでさえ仕事や家事、育児に追われている方にとって、新しく時間を割くこと自体難易度が高く、計画通りにいかないこともあると思います。
その時なぜ計画通りにいかなかったのか考えることは大事ですが、人は誰しも物事がうまく進まないと気持ちが乗らなくなります。乗らなくなった気持ちに再び火をつけるのは、やり始めよりも難しいと僕は体感しています。
このアクションプラン作成において総じて言える気を付けるポイントは、完璧を目指さないことです。
自分の理想を叶えるために動いていて、さらにそのプロセスには自分が夢中になってできるようなこと(才能)が織り込まれているので、本来は楽しみながらやっていけるはずです。
精緻なプランニングに時間を掛けるよりも、まずは実行してみましょう。
キャリアマップの完成と実行について
最後にここまで進めてきた内容を1枚にまとめましょう。
僕のキャリアマップテンプレートを利用している方は、これまで取り組んできたstep1~step3までを1枚目のキャリアマップに記入/入力してください。
ここまででキャリアマップは完成です。作ったキャリアマップを今一度見返してもらうと、自分の現在地と向かいたい将来が可視化できて、きっと将来に対するモヤモヤが少しだけ和らいだのではないかと思います。
ただもちろん作って終わりではありません。繰り返しになりますが、実行することが何よりも重要です。
実行しなければ何も変わりませんし、理想の将来像にたどり着くこともありません。もし何も実行せず現状維持で理想の将来像にたどり着く方がいたら、そもそも今回のキャリアマップは必要ありません。
アクションプランが実行できない場合の理由とは
キャリアマップを作った時点では、やる気に満ちていると思いますが、忙しい毎日の中で時間を捻出できなかったり、やる気が続かなかったりで、アクションプランを実行できないこともあると思います。
アクションプラン実行に向けて、実行できない理由についてあらかじめ抑えておいてください。
僕なりに理由を分解するとこんな感じだと思っています。
項番 | 事象 | |
---|---|---|
1. | 計画が大雑把で、具体的に何をすべきかが明確でない | |
2. | やる気が起きないor他のことを優先してしまう | |
2-1. | そもそも楽しくない | |
2-2. | 将来にどう結びつくのかわからない |
まず「1.計画が大雑把で、具体的に何をすべきかが明確でない」ケースについてです。
例えばダイエットをしようと思って、3か月後までにマイナス3kgの目標を掲げたとします。その時具体的な計画がなければ、食べる量を減らすのか、運動したりして消費カロリーを増やすのか、その両方か、わからず進みませんよね。
具体的なアクションプランとして、「明日から、一日の摂取カロリーを2,000kcal以下にする」とか「ファスティングを申し込む」といったような具体的な行動に落とし込んでいることが必要です。
今回作成したアクションプランで行動できそうか、今一度確認してみてください。
続いて、「2.やる気が起きないor他のことを優先してしまう」のケースについてです。この中でも2つに分解できると思っていて、それが「2-1.そもそも楽しくない」と「2-2.将来にどう結びつくのかわからない」です。
楽しくないとやる気は起きませんし、やった先に何があるのかわからないと不安になりますよね。
僕自身の実体験を踏まえてもそうで、これまで色々な自己研鑽、スキルアップに取り組みましたが、そのほとんどがこの2つの理由で辞めてしまいました。
なんとなく必要かなと思い英語を勉強した時には楽しくありませんし、勉強した先にやりたいことが何もなかったのですぐ辞めてしまいました。
プログラミングをやった際には、非常に楽しめる実感はありましたが、自分の将来とどう繋がるのかが見えず、1、2年やってみたところで辞めました。
その点、今回のキャリアマップでは、才能に基づいたアクションとなっていて、アクションを実行した先には理想の将来が待っている仕組みが出来上がっているはずです。
もしアクションプランを実行してみても、なんかワクワクしないし続けられないなあ、という場合は自分の才能の見つけ方や理想の将来設定がズレている可能性がありますのでstep1とstep2を見直してみることをオススメします。
ちゃんと設定ができれば、日々の業務や家事育児などが忙しい中でも、自分の理想に向かって行動できる時間がとても有意義で楽しくなります。僕がまさしくそうでした。
そして最後に、少しでも行動できたら、最高に自分を褒めながらやっていきましょう。
将来に向けてこれまでとは違うアクションをしている自分は、仮に計画通りでなかったとしても素晴らしい取り組みです。
自分の努力の全てをわかっている人間は世の中で自分しかいません。将来に向けて頑張っている自分で自分をどんどん褒めてあげましょう。ちなみに、自分の才能に基づいたことをやっている時には、頑張っているという感覚ではなく、ただ好きなことを夢中でやっている感覚になるので、頑張っているという意識すらなくなります。
こちらの問い合わせページから、やってみた感想なども送っていただけると嬉しいです。
このキャリアマップが、皆さまのキャリアがより良くなるための一助となれば、僕にとって至上の喜びです。
まとめ
- 指針を決めること。その際に重要なポイントは、自分の才能と、後天的な強み(知識・経験・スキル)の両方を満たすこと
- 自分の才能を活かせる職種を見つける為には、分類例を参考にしながら世の中の仕事を一通り調べる必要がある
- 具体的なアクションが取れるように、1年後の目標とアクションプランを策定する。その際、精緻なものや完璧なものを作る必要はない(逆にデメリットが多い)
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