メガバンクで営業、ネット系事業会社で金融事業開発、外資系コンサルで金融機関コンサル、三社三様で金融に関わり続けている金融マン、Keijiです。
金融機関の営業の方、こんなこと思うことありますよね
自分って、営業向いてないんじゃないかな…
始めて会った人でも「この人は営業成績上の何をやってくれそうか」、考えてしまう
日々業務と数字に追われ、何をしていても数字を上げる為と考えてしまう。長く続くと脳が麻痺して、それが普通のような錯覚に襲われますが、全然普通ではありません。色々な仕事を経験した僕が改めて振り返ってみても、金融機関の営業は本当に本当にタフな仕事なんです。
しかも数字が上がらなかった時などは、真面目な人ほど「自分が悪いのかも」と考えてしまう傾向にあります。その結果、気を病んでしまう人も結構見てきました。「自分を大切にしてほしい」と伝えるのは簡単ですが、単に伝えるだけでは真面目な人にはなかなか響きにくいのだと分かっています。
そこで、金融機関の営業がツラいと感じている方に向けて、具体的な対処法を3つ紹介します。「心が疲れてしまったな」と感じている方は、まずはどれか1つでも初めて見ることをオススメします。
1.筋トレをする|心の疲れは、肉体の疲れで昇華せよ
筋トレをすることによって得られる科学的なメリットはこちらです。
1. エンドルフィンの分泌
筋力トレを行うことで、脳内でエンドルフィンが分泌されます。エンドルフィンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、痛みを軽減し、気分を高揚させる効果があります。筋トレにより爽快感が得られるのはそのためです。
2. セロトニンの増加
筋トレはセロトニンという神経伝達物質の分泌も促進します。セロトニンは気分、感情、食欲、睡眠に関連し、セロトニンレベルの低下はうつ病と関連が深いとされています。筋力トレは、セロトニンレベルを上げ、うつ症状を軽減する助けとなる習慣です。
3. コルチゾールの減少
コルチゾールはストレスホルモンとして知られています。それ自体が悪いホルモンではありませんが、長期間高レベルにあると、うつ症状や不安を引き起こす可能性があります。筋力トレーニングはコルチゾールのレベルを下げる効果があり、これがストレスの軽減と関連しています。
ホルモンについてはこちらの記事でも解説していますので、良ければご覧ください。

小難しいホルモンの話は一旦置いておきます。
筋トレには達成感と自己肯定感がセットで手に入るというメリットもあります。例えば「今日はスクワット30回やった」といった小さな成果でも、自分の中で「できた自分」を実感できるようになります。そうすると、日々の生活や仕事に対しても前向きな感情が生まれてくるんです。
そして最後に、一番大きな精神論です。肥大化した筋肉という鎧を身につけながらも上司に詰められた時、きっと頭をよぎると思います。「この人自分のこと詰めてくるけど、その気になったらいつでもリアルファイトで成敗できる」と。
2.転職活動をしておく|“手札を増やす”ことの安心感
何かの交渉をする時、一番大事な要素は何だと思いますか?「まず高めの要求を投げること」、「お互いがWin-Winの道を探ること」など色々あるとは思いますが、僕は「手札を増やすこと」だと思っています。手札というのは選択肢のことで、例えばある商品を安く買う交渉をしたい時、他者の類似商品を比較対象に出して「他にも選択肢はあるんだよ」と匂わせるような交渉技術が該当します。
この「手札を増やすこと」の重要性は交渉に留まらないと思っています。例えば就職活動もそうです。多くの会社に応募をして、選考の中で落とされ、手札は減っていきます。その時、言葉では上手く表現できないほどの不安に駆られた経験はありませんか?僕は就職活動で、何を狂ったか、自分が行きたい数社しか応募を出さず、1社落ちるごとに震えていました(笑)

仕事においても同様です。「今の仕事」という選択肢が1つしかないと、その選択肢にしがみつく以外に術がなくなります。転職活動をして、「いつでも別の会社に行ける」という選択肢を作ることで、心に余裕を生み出すことができるのです。
履歴書を整え、スカウトサイトに登録して、1回面接を受けてみる。それだけでも安心感を得られる効果があります。上司に詰められても「この人は自分が裏で転職活動していることも知らずに」と謎の優越感が生まれてくるのです。加えて、転職活動を通して「自分の市場価値」や「今の転職市場でのニーズ」を見ることができるので、一石二鳥にも三鳥にもなります。
3.仕事と関係のない人と定期的に会う機会を作る
金融機関の常識って、外から見ると非常識です。「判子は左側に押す上司に少し頭を傾けて押す」、「徹底的に手続きを遵守する、自分の頭で考えない」こんなこと、銀行以外の人に話をしたら驚かれること間違いありません。そんな環境で1日の2/3以上、週5日という生活の大半過ごしていたら、非常識がいつの間にか自分の中で常識になっていきます。
人間というのは、目の前に置かれた状況や環境から一歩引いて俯瞰してみることがとても不得意な生き物なのだなと常々感じます。世の中、自ら命を絶ってしまうニュースなどで知ると「そんな学校や会社などの狭いコミュニティが人生の全てではない。もう少しだけ広い視野が持てていればよかったのに」と思ったことがある方も多いんじゃないでしょうか?ですが、本人にとっては置かれた状況が全てのように感じるのです。僕だって上司から鬼のように詰められて、怒られた時には、この世の終わりのように目の前が真っ暗になることがあります。
そんな状況を避けるためには、会社や仕事と関係のない人と定期的に会う機会を作ることが有効な手段です。今の会社や仕事と関係が遠ければ遠い方がいいです。その方が自分が経験している非常識に気づけますし、自分と違う世界線があるということを意識できます。
身に起きていることについて話をして、ぜひ驚かれてください。
なにそれ、昭和みたいな営業だね
そう言われてください。そう言ってくれるような、気心通った友人との話が心にゆとりを与えてくれます。
心の逃げ道を用意すること
ファーストプレイス、セカンドプレイス、サードプレイスとは?
ファーストプレイス、セカンドプレイス、サードプレイスという言葉を聞いたことありますか?一番有名なのはサードプレイスだと思いますが、それぞれの言葉の定義はこちらの通りです。
ファーストプレイス | 家 |
セカンドプレイス | 職場や学校など、自宅以外で長い時間過ごす場所 |
サードプレイス | 軽い息抜きができる場所や、リフレッシュや新たなやる気を生む交流のある場所 |

サードプレイスの提唱者は、1932年生まれでアメリカの社会学者であるレイ・オルデンバーグです。アメリカは自動車依存型の都市社会であって、家庭(第 1の場)と職場(第2の場)を往復するだけの状態になっていたのです。オルデンバーグは、こうしたストレスの多い現代社会を生き抜くには、潤滑油の役割を果たす場所が必要だと考えました。
サードプレイスの特徴は、
- 中立性
- 社会的平等性の担保
- 会話が中心に存在する
- 利便性がある
- 常連の存在
- 目立たない
- 遊び心がある
- 感情の共有
などです。言い換えると多様で異質な人々が自分の社会的立場を気にせず気軽に集まり交流できる場と表現できるでしょう。リラックスして気軽に交流できるのがサードプレイスの特徴でありメリットです。
サードプレイスは「マイプレイス型」と「交流型」という2つに分類でき、前者は一人でのんびり過ごせる場所を指し、後者は第三者との交流をする場所を指します。「マイプレイス型」の具体例としてはカフェやバー、公園などがあります。「交流型」は友達同士の集まりや趣味のコミュニティがあります。
3つの対処法と各プレイスの関連性
ここで紹介した3つの対処法と各プレイスの関連性はこうなっています。
1.筋トレをする | ファーストプレイス(ジムに行くようであればサードプレイス)の充実 |
2.転職活動をしておく | 今のセカンドプレイスの変更 |
3.仕事と関係のない人と会う | サードプレイスの確立 |
3つの対処法はプレイスの観点では別ですが、「心の逃げ道を用意する」という共通点があります。たった数十分筋トレしてみる、転職活動で1社だけ書類応募してみる、月1回だけ友人と会ってご飯を食べる、それだけで心は驚くほど楽になります。仕事で疲れてしまったり、押しつぶされそうになってしまったら、「ちゃんと別の世界もあるんだよ」と自分で視野を広げに行くことが大事なことだと僕が身をもって証明しています。
ここで挙げた3つ以外でも自分に合った方法があれば、それでも全く問題ありません。海外旅行に行って、自分の視野や世界観の狭さを知るのもいいと思いますし、自宅や映画館でゆっくり映画を楽しむのもいいと思います。金融機関で働く人は真面目な人が多いので、根詰めて考えてしまいがちですが、一旦リセットする機会を意図的に作るようにしましょう。
まとめ
- 金融機関での営業がきつい、ツラいと感じた時の対処法は3つ。「1.筋トレをする」、「2.転職活動をしておく」、「3.仕事と関係のない人と定期的に会う機会を作る」
- 筋トレをすれば「いつでも上司をリアルファイトで成敗できる」、転職活動をすれば「いつでも今の職場に辞表を叩きつけられる」、仕事と関係のない人と会えば「自分の会社の非常識に気づける」
- 一番大事なことは心の逃げ道を用意すること。どれだけきつくても、ツラくても、今の世界線が全てではない。別の世界を意図的に見れるようにしておくこと
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