転職が怖い…勇気が出ない…転職すべきか現職に留まるべきか、悩むあなたへの解決法

メガバンクで営業、ネット系事業会社で金融事業開発、外資系コンサルで金融機関コンサル、三社三様で金融に関わり続けている金融マン、Keijiです。

今の職場の人間関係や業務に不満はあるけれども、転職まですべきだろうか
人間関係や業務に不安はないけれども、業界の先行きの険しさから漠然とした不安を感じる

キャリアを考えた際、このように転職すべきか否か、悩む方多いと思います。

特に金融機関で働いている人は、一定期間での人事異動が組織上組み込まれているケースが多いです。その結果「今(人間関係など)が嫌でも少し我慢すればリセットされるし…」という思考になり、踏ん切りがつかないままズルズルと働き続けている人が多いです。

また、転職は多くの場合、業務内容も人間関係もゼロからの再スタートとなる為、一定の不確定要素(リスク)があるのも事実です。そのリスクを取ってまで転職すべきだろうか、不安になってなかなか一歩を踏み出せない、そんな方にお伝えしたい大事な考え方や対処法を今回はお伝えします。

目次

なぜ転職に対して不安になるのか?

僕も初めての転職活動を開始する前、強烈な不安に駆られたことを今でも覚えています。

「せっかくメガバンクに入れたのに、この職を手放すと両親はがっかりするだろうか…」
「妻が妊娠中で、あと数か月で初めての子どもが産まれてくるこのタイミングで転職を選択するべきなのだろうか?年収や労働環境が今よりも悪くなって子育てできない事態に陥らないだろうか…」

こんなことばかり考え、葛藤に葛藤を重ねる日々が続きました。

そもそもなぜ転職に対して不安を感じるのでしょうか?その要因に対する僕なりの答えは「現状維持バイアス」「人生で初めての意思決定」だと思っています。

1つ目の現状維持バイアスとは、人間誰もが持っている心理傾向の1つで、例えば「ついつい毎回同じメニューを注文する」、「カフェや電車などでいつも同じ席に座る」といった行動がこれに当てはまります。この現状維持バイアスは「認知の省力化」と呼ばれる現象で、私たちが効率的に情報を処理するために備わった機能で、それ自体が悪いものでは全くありません。しかし、この機能が過剰に働くと「新しいことに踏み出せなくなる」という悪影響を及ぼします。

2つ目の「人生で初めての意思決定」については、北野唯我さんの『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法』に出てくるキャラクターでコンサルタントの黒岩と、転職を考えている粟野の会話が参考になるのでご紹介します。

黒岩「いいか。ひとつ問いたい。なぜ、初めての転職が多くの人にとって怖いと思う?」

粟野「そりゃ、転職先がもし潰れたらどうしようとか、考えるからでしょうか」

黒岩「違う。いいか、転職というのは多くの人にとって『初めての意思決定』だからだ。だから、怖いんだ」

粟野「初めての意思決定?」

黒岩「そうだ、多くの人は普段、じつは何も意思決定しないで生きている。君は自分で大学を選び、就職先も自分で選んできたと思っているかもしれない。しかし、それは、ただ単に、これまでレールの上を歩いてきただけで、自分で何も決めていない。電車に乗り、目的地に進んでいく。大学であれば世の中からいいといわれる大学を目指し、就職先も、世間的にいい会社を選んできただけ。だがな、意味のある意思決定というのは必ず、何かを捨てることを伴う。これまでの人生で、そんな決断をしたことがあるか?」

粟野「捨てることを伴う意思決定……」

黒岩「多くの人が、転職に恐怖を感じるのは、何かを手にするからではない。人生で初めて何かを手放すことになるからだ。しかも自分の意思で

粟野「……」

黒岩「これまで受験や仕事に頑張ってきた人のほうが、その投資分が大きく見えてしまい、恐怖を感じる。そしてそれは転職した後も、しばらく付きまとう。これでよかったのかな? あっちの道のほうがよかったんじゃないか?と。 」

『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』 北野唯我

みなさんは「何かを手放すことを伴う意思決定」をしたことがありますか?金融機関に勤めている方は一定水準の学歴があり、あまり深く考え決断することなく働いている人も多いのではないかと勝手に推察しています。少なくとも僕は初めての転職をするまで、ここでいう意思決定をしたことがありませんでした。曲がりなりにもメガバンクに7年程度勤めて蓄積したものを、自分の意思で手放すことが怖かったのだと、この本を読んで気づきました。

ちなみに僕の場合、2回目の転職の際には、新しい会社で働くことに関する不安はありましたが、1回目ほどの不安を感じることはありませんでした。それだけ「初めて」「2回目」差は大きいのだと思います。数々の名言(≒迷言)を残している小泉進次郎さんの言葉を借りると、「何事も1回やってみてください。次やるときは2回目になりますから」ということです。※とりあえず1回転職してみてと言いたいわけではありません。

転職への不安や悩みを解消するための2つの対処法

転職は「現状維持から逸脱をする行為」であって、多くの人にとって「初転職は人生で初めての意味のある意思決定」という点を踏まえると、不安や悩みを抱えるのはある種当たり前で、避けては通れない道です。そんな時に取る行動としては「不安や悩みを言語化してみる」ことと「まずは転職活動をしてみる」ことがオススメです。

不安や悩みを紙に書き出して言語化してみる

転職するべきか否か悩んでいる状態というのは、転職したいという「欲求」と現職に留まった方がいいのではという「不安や悩み」のシーソーが揺れている状態です。まだ転職活動をしていなければ、現職に留まる方に少し傾いているとも言えます。

この状態でどちらか一方を決断するのは難しく、特に決断をすることなく現状維持のまま時間が流れて行ってしまうのが最悪のケースです。今の仕事を続けるにしても、辞めて転職するにしてもきちんと整理して踏ん切りをつけることが大事です。

その為の一歩として、まずは不安や悩みを書き出して言語化してみましょう。具体的にはペンとノートを用意して、頭の中に湧いてきた不安や悩みを思いつくままに書き出すだけです。可能であれば「なぜ不安なのか?」「何が問題なのか?」といった具合に深掘りして考えられればベストです。

書くことで「ああ、自分はこんな不安を持っているんだな」や「こんな悩みがあるんだな」といったことを認識でき、アウトプットすることで自分と切り離し、客観視できるようになる効果が得られます。客観視できるようになると、「思っていた程重大な問題ではなかった」や「こうすれば解決できる」などといった問題・課題の正確な認識と、それに対する打ち手に繋がります

もちろん正確に把握したうえで、現職に留まるという選択肢も全く問題ありません。大事なことは現状を正しく認識して、自分で決断することです。

まずは転職活動をしてみる

続いてオススメする対処法は、とりあえず転職活動をしてみることです。転職するかどうか決めていないのに転職活動するの?と思うかもしれませんが、それでいいんです。まず動いてみて、それから考えるで何も問題ありません

転職活動の中にも段階があり、大きく分類すると①転職サイト、転職エージェントに登録して求人を探す、②面接を受ける、③入社手続き・退職手続きをするの3つに分かれます。この中の「③入社手続き、退職手続き」にさえ踏み込まなければいつでも後戻りできます。面接を受けて内定をもらってからお断りするのも、やり過ぎなければ問題ありません。僕の元同僚は、1年以上転職活動をし続け、内定をもらっても条件が納得いくものでなければ辞退をし、足掛け10社近くの内定をもらった中で転職を決めました。

実際に転職活動をしてみてわかることはたくさんあります。例えば、自分の市場価値はどうなのか?、世の中に求められている仕事やスキルは何なのか?、どのような業種や職種に価値が高い/低いのか?などなど。これらはネットで調べても、生成AIに聞くよりも自分でやってみて体感することで何よりも正確な一次情報を得られます。

転職活動をする時の注意点

転職活動をする際の注意点が2点あります。

まず1つ目は「転職活動していることを周りには言わないこと」です。世の中誰もが口が堅いばかりではなく、見かけによらない口軽さんもたくさんいます。飲みに行ったときや1対1で話している際の「ここだけの話なんだけど・・・」というやつは、ほとんどが「ここだけの話」になりません。転職活動が周りに知られていいことはないので注意しましょう。

2つ目は「今の仕事を続けながら転職活動をすること」です。先に現職を辞めてから転職活動をするのは、時間的余裕が生まれるというメリットはありますが、それ以上に空白期間の説明が必要になるという大きなデメリットがあります。また、収入がなくなり金銭的にも余裕がなくなる為、転職活動が思うように進まなかった場合、自分の行きたい会社に行くことではなく、職に就くことが目的になってしまいがちです。

それでも悩みや不安が拭えない場合や、一歩が踏み出せない場合

ただそれでも、なかなか不安や悩みが消えない方もいると思います。そんな場合は一旦現職か転職かという二択を忘れましょう自分が感じている不安や悩みを解消できる手段が転職だけとは限りません。副業かもしれませんし、起業かもしれませんし、はたまたボランティアかもしれません。そもそも自分は何を大事にしていて、将来どうなりたいのかを考えることが大事です。

本来転職というのは、なりたい自分の将来像を叶える為の手段であって、自分の価値観や将来像を特定することが先に来るべきだと僕は考えています。自分の価値観や将来像特定の為の具体的な手順をこちらの記事で解説していますので、不安や悩みが拭えない方はぜひご覧いただき実践してみてください。

内定を取れたあと、どこの会社に行くか、留まるか悩む方への決断のヒント

読んでいただいている方の中には、既に内定をもらえていて、どこの会社に行くのが良いかそれとも現職に留まるのが良いか悩んでいる方もいるかもしれませんので、その場合の決断のヒントをお伝えします。

ここでは会社毎の比較を定量化させるために、ヒエラルキー分析という手法を使います。この分析手法自体は統計学者のトーマス・L・サーティが米国防総省で軍縮問題に取り組んだ際に考案したテクニックで、サイエンスライター鈴木祐さんが書いている『科学的な適職』でも紹介されています。

具体的には、大きく2つのStepに分かれています。まずStep1として、働くうえでの重要視している価値観を挙げて順位付けを行います。次にStep2として、それぞれの価値観について比較対象となる会社毎に点数を付けていきます。それだけで下のイメージのように総合スコアが出て、定量的にどの選択肢が最も望ましいか明らかになります。

実際の計算過程については鈴木さんの『科学的な適職』で紹介されているのですが、少し複雑なのでここでは割愛します。実際にやってみたいという方は本を買って読んでいただくか、算式を既に組み込んだExcelを100円で用意しましたので、そちらからやってみてください。

購入専用サイトからでもnoteからでもどちらでも同じものがご購入いただけますので、お好きな方をご利用ください。
(※購入専用サイトからご購入いただいた場合は、zipファイルのダウンロードとなります)

まとめ

  • 転職に不安や悩みを感じる理由は、主に①現状維持バイアスから抜け出す必要があるから②人生で初めての何かを手放すことを伴う意思決定だから
  • 不安や悩みへの対処法は、①不安や悩みの内容や要因を紙に書き出してみること、②まずは転職活動をしてみること。それでも不安や悩みを拭えない場合は、そもそもの自分の価値観や将来像を見直すべくキャリアマップを描いてみること
  • 内定を取れた後など、会社同士でどちらがいいのか比較したい場合にはヒエラルキー分析を用いて定量的にスコアリングしてみることがオススメ
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